あなたは自転車を運転しながらスマホを見たり、
片手で傘を差しながら運転したりしたことは
ないですか?
もし、そのような危険運転をしたことが
ある方は今すぐ自分の運転を改めましょう。
その小さな気の緩みが他者の命を奪う
大きな事故につながってしまうことが
あるからです。
また、命を奪うだけでなく自分の大切な家族を
崩壊するような高額賠償を命じられることも
考えられます。
今回は、自転車事故で高額賠償の判決が出た
過去の事例を5つご紹介します。
この高額な賠償金、あなたは支払うことが
できますか?
自転車の事故の賠償の事例とは?過去の高額な5つの参考例
通勤・通学に便利な自転車ですが、
つい気が緩んでスマホを見ながら走行したり、
車が通っていないのをいいことに信号無視して
道路を横断したりしていませんか?
忘れているかもしれませんが、自転車は
車と同じ扱いになり、事故が起きた場合、
車と同じくらい高額賠償が請求される
こともあります。
ここでは、自転車事故で高額賠償を
命じられた5つの事例をご紹介します。
1.監督義務を果たさなかった母親に高額賠償9500万円
2008年9月神戸市北区で当時11歳だった少年が
マウンテンバイクで坂道を高速で下ったところ
散歩をしていた60代の女性に気づかず、
正面衝突する痛ましい事故が起きました。
女性は衝突により突き飛ばされ転倒し
頭を強打。
一命を取り留めましたが、意識不明で判決が
下った際も意識不明で寝たきりのままだった
そうです。
2013年7月に神戸地裁は少年の母親に
「監督義務を果たしていなかった」とし、
約9500万円の高額賠償を命じました。
母親が「監督義務を果たしていなかった」
理由として、裁判官は
- 坂道を時速20~30キロという高速で下るという危険走行をしていることから日頃の注意や指導がなっていない
- 事故当時にヘルメットを着用していなかった
ことを指摘しています。
さらに約9500万円の高額賠償になった理由は
- 被害者の女性に全く過失がなかった
- 被害者の女性が未だに意識不明の寝たきりである
ことが考えられます。
2.携帯電話を見ながら走行したことで高額賠償5000万円
2002年9月に横浜市金沢区で帰宅途中の
女子高生(当時16歳)が携帯を見ながらライトを
無灯火で走行中に歩行者の50代の女性の背後に
衝突した自転車事故になります。
女性は転倒した際に首を強打し、手足が痺れる
ことにより歩行困難となる後遺障害に悩まされ、
看護師の職を失いました。
2005年11月に横浜地裁は当時女子高生だった
女性に約5000万円の高額賠償を命じました。
約5000万円の高額賠償になった理由として、
- 女性は携帯電話を操作しながら自転車を走行していた
- 事故が起こったのは夜9時だったが、ライトを付けていなかった
- 被害者の女性は後遺障害により看護師の職を辞めざるを得なくなった
ことが考えられます。
実は、被害者側は女子高生とともに父親も
監督不行き届きで過失を訴えていましたが、
そこは認められませんでした。
3.片手運転で歩行者に衝突し約6700万円の高額賠償
男子高校生が片手にペットボトルを持ったまま
信号機のない交差点を走行中、横断歩道を
渡っていた主婦に衝突した事故になります。
女性は衝突の際に頭を強打、病院に
搬送されましたが11日後に死亡しました。
2007年4月に東京地裁は自転車を運転していた
男子高校生に約6700万円の高額賠償を
命じました。
約6700万円の高額賠償になった理由として、
- 片手でペットボトルを持ったままの運転であった
- ながら運転でブレーキ制動が効かないことは予見できた
- 信号機のない交差点での減速・確認を行わなかった
ことが考えられます。
4.信号無視で歩行者に衝突し高額賠償4700万円
2010年1月、赤信号を無視して時速15~20キロで
走行していた競技用自転車が横断歩道を
渡っていた75歳の女性に衝突した自転車事故に
なります。
75歳の女性は衝突の際に転倒して頭を強打し、
死亡しました。
2014年1月に東京地裁は、競技用自転車を
運転していた40代の男性に約4700万円の
高額賠償を命じました。
5.自転車対オートバイでも4000万円の高額賠償
男子高校生が赤信号の横断歩道を走行中、
60代の男性が運転するオートバイと
衝突した事故になります。
衝突の際にオートバイの男性は投げ出され
頭を強打、13日後に死亡しました。
2005年9月に東京地裁は自転車を運転していた
男子高校生に約4000万円の高額賠償を
命じました。
自転車の事故の賠償金は保険で賄えないことも!
自転車事故の高額賠償の事例の一部を
ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
自動車事故の場合、多くの人が民間の
自動車保険に加入していますので、このように
高額賠償を命じられても保険によって
支払うことができるでしょう。
ですが自転車事故の場合、自転車専用の保険に
入っている人は少なく、火災保険や自動車保険に
付随している個人賠償保険を使って支払いをする
ことになります。
ちなみに、私が加入している保険に付いている
個人賠償額は500万円…
全然足りないですね。
実際に高額賠償を請求された人の中には
支払えずに自己破産する人も多くないそうです。
自転車はルールを守って走行するのが
前提ですが、万が一のことも考えて、
自転車保険に入るのをおすすめします。
自転車保険を選ぶポイントについては、
以下の動画が参考になりますよ。
これを機に自転車保険の加入を検討して
みてはいかがでしょうか。
まとめ
自転車は自動車と同じ車道を走るのにも
関わらず、
- 運転するのに免許がいらない
- 自動車ほど厳しく取り締まられることがない
ことから、つい気が緩んでしまいながら運転や
ヘルメットなしでの運転をしてしまいがち。
ですが、先程紹介した自転車事故を見ると
ちょっとした気のゆるみが大きな事故に
つながることが分かっていただけたかと
思います。
また、自分の家族が加害者になる可能性も
ゼロではありません。
特に幼い子供は自転車の扱いになれておらず、
危険な運転をしがちです。
子供が加害者になってしまった場合の
親の対応については以下の記事が
参考になりますのでご覧ください。
⇒自転車の事故を子供が起こしたら?親子で知っておきたい加害者の責任
自転車事故の高額賠償の判決が多数でてきた
ことから、自治体によっては自転車保険加入の
義務化が進んでいます。
それでもまだ加入者は少ないのが現状です。
この記事を機に一人でも多くの人が自分の
運転を改めて自転車保険の加入を検討して
いただければと思います。